不動産投資における重要指標にROIとCCRがあります。ROIは投資本全体に対して、CCRは投下自己資本に対して利益がどのくらい出ているかを表します。これらの指標を用いることで、不動産経営が安定しているか把握しやすくなるでしょう。
ここでは、ROIとCCRの意味や使い方、計算方法について解説します。
1.ROI(投資利益率)の持つ意味とは
ROIは、Return On Investmentの略で投資利益率を意味します。不動産投資における指標の1つで、投資した資本全額に対してどのくらい利益(年間キャッシュフロー)を得たかを表します。
ROIは、以下の計算式で算出可能です。
ROI=年間キャッシュフロー ÷ (投下した自己資本+他人資本(借入金額))×100
年間キャッシュフローは年間の家賃収入から費用(管理費や修繕費など)を差し引いた金額です。投下資本と借入金額は、物件購入時にかかる物件価格と諸費用になります。
たとえば、2,000万円の物件をローン1,500万円、頭金500万円で購入し、年間キャッシュフローが50万円の場合、ROIは「50万円÷(500万円+1,500万円)×100=2.5%」で、ROIは2.5%となり、投下資本に対する年間キャッシュフローは2.5%ということがわかります。
ROIが高いほど、利益率が高いことを表します。
2.CCRの持つ意味とは
不動産投資における指標にCCRもあります。CCRとは、Cash on Cash Returnの略で自己資本収益率のことです。投下した自己資本に対してどのくらい利益(年間キャッシュフロー)を得ているか表したものです。
CCRの計算式は、次のようになります。
CCR=年間キャッシュフロー ÷ 投下した自己資本×100
ROIとの違いは、他人資本である借入金額を含めずに計算する点です。2,000万円の物件をローン1,500万円、頭金500万円で購入し、年間キャッシュフローが50万円の場合のCCRは「50万円÷500万円×100=10%」で、CCRは10%となります。
3.ROI・CCRはどのように使えばよいか
前述のとおり、ROIは投下資本全額に対して、CCRは投下した自己資本に対してキャッシュフローをどれだけ得ているかを表す指標です。
ROIは、これまで投下した資本に対して、またはこれから投下する資本に対する利益率を知りたい時に使います。CCRは、これまで投下した自己資本に対する利益率を知りたい場合に用います。
まとめ
不動産投資の効率性を表すROIとCCRを用いることで、不動産経営が安定しているか把握しやすくなります。表面利回りや実質利回りなどの指標と合わせて、ROIやCCRも活用していきましょう。